吃音について

 師走の声と共に、クリスマス仕様のイルミネーションに飾られる季節になりました。
 さて、いつもお世話になっている内観研修所では月に一回の内観経験者のための会があります。集ってくるメンバーは、悩みも立場も、性別、年齢も、実に様々です。
 そこで先日、ある青年との出会いがありました。その青年は吃音を持つのです。そのピンと張りつめた糸のような佇まいが印象的でした。
 吃音に関心を抱きいろいろ調べてみると、吃音について理解の至らない事ばかりであった自分が浮かび上がってきました。これまで思い込みや間違った知識で人を判断してしまっていた、あるいは、これからもしたかもしれない可能性があるかと思うと、無知と無理解なこれまでの自分に対して恥ずかしい思いがします。
  吃音(きつおん、どもり)は、話し言葉が滑らかに出ない発話障害のひとつです。吃音の9割は発達性吃音で幼児期(2~5歳)に発症する場合がほとんど(小学校以降に発症することもあります)、発症率(吃音になる確率)は5%程度、発症率に国や言語による差はないと言われています。全人口の1パーセントが発症し、男女比は4:1くらい、男性に多いようですが、原因ははっきりわかっていません。
 子ども自身が持つ吃音になりやすい何らかの特徴、発達的要因、環境的要因がお互いに影響しあっているといわれています。7~8割くらいが自然に治ると言われていますが、残りの2~3割は徐々に症状が固定化していきます。
 さらに症状が進むと、話そうとしても最初のことばが出なくなることが多く、ことばの出にくさが強くなってくると、「話す」という行為と「嫌悪」や「恐怖」という感情が結びついて、よりことばが出にくくなります。またうまく話せないことを、恥ずかしく思うことも多くなるそうです。
 私たちは吃音は親や周りの大人の接し方などの問題として、原因を心理的なものと決めつけがちですが、実は原因についてはよくわかっていないのが現状で、そのため治療機関も限られているそうです。
 言友会などのセルフヘルプグループが各地にあり、吃音のある子ども成人の支援や社会への啓発活動をしています。特に青年期は仕事や恋愛など人生の悩みに遭遇する時期でもあり、悩みを分かち合う活動も各地で開催されているようです。
 私の出会った青年も様々な背景を背負いながら、それでも生きねば、という痛々しい程の清冽さの持ち主でした。苦悩の深さが彼にその様な印象を与えているのでしょう。
  考えてみれば、どうして人は言葉を話すことができるのでしょうか。吃音を克服した有名人にはアナウンサーになった方もしらっしゃるようです。一日も早く謎が解明され、生きづらさを感じる人が安心して生きていける社会を願ってやみません。
 

メンタルオフィス ハーブス ☘

最近なぜだか元気がでない 生きることがつらい いつの間にか心に悩みを抱えていませんか。 悩みを抱えながら日々を生きることは辛いことです。 そんなこころの声をお話しいただくことで 「すっきり人生」を歩んでいただきたい。 メンタルオフィス ハーブスは あなたのこころに寄り添う  よき伴走者でありたいと願っています。

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